歯科技工士の離職問題「絶滅危惧種?」

歯科技工士の「離職率」をご存じでしょうか?

国会でも審議されている歯科技工士の離職問題について

日本には、歯科技工士が「120,157人」いますが、そのうちの就業者は、なんと「34,468人」しかいません。離職率にすると“70%以上”です。

もっとも多いのは、25歳未満でなんと離職率“79%”です。ほとんどの歯科技工士は就職して5年以内には辞めてしまいます。

専門学校に2年間通い、学費“400万円”も払って、国家資格である歯科技工士免許を取得したにもかかわらず、この離職率はもったいないですよね...。

なぜ、これほど離職率が高いのか?

原因は主に2つあります。

介護職やアニメーターなども大変な職業と聞きますが、歯科技工士も負けてはいませんよ!(なにを競いあってんだか...。)

一週間に“60時間以上”働くことを「過労死ライン」と言うようですが、大抵の技工士は余裕でそんなライン越えてますよ。週に“100時間”働く人もふつうにいる世界ですからね(休みなし、1日14時間労働)。

嘘だと思うかもしれませんが、本当の話なんですよ!!

しかも、いくら働いたって「残業代」なんてつかないですからね。

それだけ働いて、年収は日本の平均以下ですから(5割以上の人が年収300万円以下です)

そりゃ、ほとんどの人は続きませんよ...。

『国家資格ですよ?こんな扱いは酷すぎませんか?』

もう1つの問題が、高齢化

更に歯科技工士の“高齢化”も問題になっています。

 

少ない就業者の中で、「50歳以上」の割合が“45%”と、約半分を占めています。なので今後は更に歯科技工士の減少は避けられないでしょう。

さらに、こういった歯科技工士の実態がインターネットで簡単に検索できるようにもなったので、若い人で歯科技工士になりたいと思う人が激減しています。

なので、専門学校も定員割れしているところがほとんどです。

 

『このままだと本当に歯科技工士は“絶滅”してしまうかもしれません。』

 

歯科技工士がいなくなって困るのは歯科医師です。今までは歯科技工士を奴隷のように扱ってきた歯科医師が、このまま歯科技工士が減り続ければ、今度は頭をさげて仕事をお願いしにくる時代が来るかも知れませんね。

最後に

この歯科技工士の離職問題については、国会でも審議されてもいますが、形式だけで本気で取り組んでいるようには思えません。

このままの状態が長く続いて、取り返しのつかない事にならなければいいですけどね..。

日本の歯科技工士は世界的に見てもレベルが高いと言われています。そんな「メイド・イン・ジャパン」の“人工歯”がなくなってしまい、中国や東南アジアで作られた安い人工歯が当たり前の世の中にならないよう願いたいものです。